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07/07/06

インタビュー

昨年、F1ドライバーへのデビューを果たした山本左近は、今年、ワンランク下のGP2を戦うことになった。表面的にはステップダウンに見える状況でスタートした2007年。しかし、左近は左近らしく、別の視点で自分のポジションを見つめていた。

--今年はGP2で戦うことになりました。

左近 スペインのバルセロナに本拠地があるBCNコンペティシオーネというチームです。元フェラーリのデザイナーだったエンリケ・スカラブローニが代表を務める、まだ4年めの新しいチームです。経験が浅いですが、その分、エンジニアもメカニックもやる気満々で、一緒に高まっていこう、というムードがあります。

--開幕戦は4月8日のバーレーンでした。準備期間がない中でのデビュー戦だったと思いますが。

左近 そうですね。スーパー・アグリで今年のF1に参戦できないことが分かった時点で動き始めたのが去年の12月。すでにGP2のテストが始まっていて、空いているシートはランキング下位のチームに限られていました。その中でBCNと契約して、ポールリカール(フランス)で2回、バルセロナ(スペイン)で1回テストがあったんですが、トラブル続きで思うようにテストができないままでしたから。

--チームメイトは、中国人のホー・ピン・タンですね。彼に決まったのも4月になってからでした。

左近 彼はフォーミュラBMWやF3で活躍した中国人で、中国では、F1のテレビ解説などもやったりしている期待のドライバーです。

◇GP2開幕戦は、F1GP第3戦バーレーンGPのサポートレースとし26台が参加して行なわれた。左近は、予選18位、第一レース11位、第二レース14位で完走した。

--開幕戦はどうでした?

左近 マシンのセッティングが決まっていなくて苦労しました。エンジニアが設定したグリップレベルに全然足りていなかった。金曜日のフリー走行でトップチームより2秒遅かったですから。それが、予選で1秒、第一レースでも1秒、第二レースでコンマ7〜8秒にまで縮めたところで終わりました。

--苦戦した分、やるべきことが見えたとも言えますか?

左近 そうですね。クルマのセットアップの方向が明確に分かりました。エンジニアのエワルドは、ダンパーやデータエンジニアとしてすばらしい実績を持っています。まだレースエンジニアとして全体を見た経験がないのでいろいろ勉強中ですが、彼もボクと同じようにF1を目指していて、モチベーションはとても高い。とにかく二人で頑張っていきたいと思っています。

--将来は二人でF1に?

左近 ボクがF1に乗れるようになったら、彼を推薦したいと思っています。彼は、ボクがF1で戦っていたことに一目置いてくれていて、お互いに話を聞いて言いたいことを言える間柄なんです。開幕戦を終えて、より親密になれたと思います。

--去年はF1ドライバーでした。格下ともいえるGP2で戦うことを、自身、どう捉えていますか?

左近 立っているポジションだけをみれば、それは間違いないことだけれど、GP2で結果を出せれば、自分の自信になるし、まわりも改めて見直してくれるということで、力が試される1年だと思っています。正直、限界点の低いチームで成績を出すのは簡単ではないけれど、「去年F1ドライバーだった」というプライドを全部捨ててGP2に専念しようと思っています。むしろ、F1ドライバーだったと思うことは邪魔になりますから。

--というと?

左近 F1は、階級社会が明確です。泊まるホテルから違う。F1ドライバーは五つ星、GP2は三つ星とか、差が歴然です。インターネット環境も、開幕戦のバーレーンから苦労しました(笑)。そういうことも含めて去年を思い出すと、気分が滅入ってくるので考えないようにしています。

--思い出浸るのは歳を取ってからでいい、と。

左近 ですね。いまは、GP2に専念するのが大事だと思います。

--去年、F1を経験したことで得られたことも多いと思いますが。

左近 最も印象的なのが世界をトラベルしてレースをすることの大変さです。6月のイギリスGPからのサードドライバー期間を入れれば、約半年間、1週間以上同じ国に滞在しない生活でした。それをF1ドライバーは1年間続けるわけです。それができる体力も気力もどれだけ必要かが分かったのが大きかったです。想像以上でした。

--F3でヨーロッパを経験していますが。

左近 F3の場合は、ユーロシリーズでもせいぜい飛行機で1〜2時間で行ける距離だし、1カ月くらいレースがなくてゆっくりできる時間があったけれど、F1はそこが違います。マシン的にも、F1はテクノロジーが常に進化しているので、毎日毎日、エンジニアと話をしていた。何かアイデアを言えばそれが実現できる可能性がF1はある。だから言わなきゃ損、みたいな(笑)。

--エンジニアもそれを求める?

左近 だから永遠に終わらない(笑)。GP2もF3のようにパーツが規制されているので、F1のような進化はないけれど、F1で経験したスタンスをボクは守りたいと思っていて、エンジニアのエドワルドも、それを期待してくれてます。そういう作業をとても前向きに考えてくれるんです。

--左近とエドワルドのチャレンジがどこまで成就するか、楽しみにしながら応援します。

左近 頑張りますので、よろしくお願いします!

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