
中国GPの上海から飛行機で一端日本に戻り、1週間鋭気を養った左近は、10月15日月曜日に、ロンドンに向けて出発した。
日本からブラジルといえばアメリカ経由が普通だが、地球が丸いことを考えれば、場合によってはヨーロッパ経由の方がいい。
「そうなんです。時差的にもヨーロッパ経由の方が楽だし。でも、ロンドンで一泊してから行こうと思ったら、都合のいい便がなかったので、ロンドンでトランジットだけして、すぐサンパウロ行きに乗ることになっちゃいましたけど(笑)」。左近は明るく笑った。ブラジルGPは、シーズン最後のレースとしてだけでなく、去年、最高のレースができた思い出の地だ。
--去年のブラジルGPは、素晴らしいレースができました。
左近 乗っていて凄く楽しかった。すべてがうまくかみ合いました。金曜日にオイル系統のトラブルがあったけれど、それもうまくリカバリーできて、予選では力一杯走れました。
--琢磨選手のコンマ1秒落ちのタイムでした。
左近 100%の力が出せたと思いました。
--レースはもっとよかった。ファステストラップが7番手、セクター2ではそれが引退レースだったミハエル・シューマッハに続く2番手というのでビックリしました。
左近 走っていてとても楽しかったです。感覚通りにクルマが動いてくれて、クルマをコントロールする喜びで一杯でした。
--F1に乗ってよかった、と。
左近 本当にそう思いました。
--インテルラゴスのコースが好きになった?
左近 ものすごく好きです(笑)。
--サンパウロの街はどうですか?
左近 ブラジルは去年初めて行ったんですが、思っていたよりも普通の都市だと思いました。予想より物価が高いのにはビックリしたけれど、シュラスコ(さまざまな肉を焼いてテーブルに運び、好きなだけ切ってくれる)もおいしいし。料理の量が多いのには驚きましたけど(笑)。
--ブラジルは自然の恵みが豊かなので、果物もおいしいですね。
左近 ボクはサラダ・バーが気に入りました。種類が豊富だし、果物だけでなく野菜も凄くおいしかった。
--ブラジルといえばセナですが。
左近 セナは、小さいころからファンでした。カートを始めるきっかけになったドライバーだったけれど、去年ブラジルに行くまでは、単にそれだけだと思っていました。でも、モルンビーのお墓をお参りして、改めて存在の偉大さを感じたんです。お墓の前で、自分にはなくてはならない人だったと思いました。セナがいなければ、自分はここにいないだろうな、と思って感慨深かったです。
--それがいい結果につながったかもしれないですね。ところで、ブラジルで中嶋一貴がデビューします。
左近 個人的に一貴のデビューは凄く嬉しいです。彼は2歳年下だけれど、カートを始めたときからずっと一緒にやってきましたから。もう10年以上になります。ウィリアムズはクルマとしてはポテンシャルが上なので、一貴の前ににいけるかどうかわかりませんが、自分は自分のレースに全力を尽くします。
--F1に日本人が3人になります。
左近 モータースポーツの最高峰に3人もドライバーがいるというのは凄いことだし、歓迎したいと思います。
--8月にデビューしたスパイカーの新型Bスペックは、順調な滑り出しをみせましたが、ここ数戦伸び悩んでいますね。
左近 そうですね。特に中国では、タイヤに熱が入らなくて全然グリップしなくて苦労しました。
--ブラジルGPにブリヂストンが持ち込むのは、4種類のコンパウンドのうち、ソフトとスーパーソフト、一番柔らかい2種類です。
左近 その意味では、(タイヤに熱を入れる苦労が少ないので)うまくマネージできればいいレースができると思います。コース路面が再舗装されたようなので、どうなったか、早く走ってみたいし、ブラジルはものすごく楽しみにしています。
--シーズン最後のレースだし。
左近 ですね。結果はともかく、今年のまとめとして悔いのないレースを全力で戦います。
--いいレースを期待します。
左近 ありがとうございます。頑張りますので、応援、よろしくお願いします!
