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07/10/24

ブラジルGPレポート

GP2シリーズからF1世界選手権へ――激動のシーズンとなった2007年の山本左近のレースを締めくくるF1最終戦第17戦ブラジルGPが、10月19日サンパウロのインテルラゴス・サーキットで開幕した。

路面がデコボコしているインテルラゴスはバンピーなコースとして悪名高い。加えて17戦中トルコとブラジルだけというF1では珍しい反時計回りのため、ドライバーの肉体への負担が大きい。しかし今年、その路面が直前に全面改装され、ブラジルGPは新しいアスファルトを敷き詰めて、ドライバーたちを歓迎した。

「路面はずいぶんスムーズになりましたね。去年はメインストレート上にかなりバンプ(デコボコ)があったんですが、そのへんはだいぶ改善されていました。また、インフィールド区間もスムーズになっていて、ドライブしやすかったですね」と、山本左近も新サーフェスに好印象を持って、初日のフリー走行を終えた。

しかし、その新しい路面と今年ワンメイクとなったブリヂストン・タイヤとのマッチングは、昨年レース中にセクター2でM・シューマッハに次ぐ2番手をマークしたときとは少し異なっていたようだ。

「午前中に雨が降っていたせいで、午後のフリー走行2回目もハーフウエットコンディションでスタートしたため、ドライタイヤの温まりが遅かったですね。特に1度履いた後のユーズドタイヤの温度がなかなか上がってくれなかった」ため、左近の2年目のブラジルGPは初日22番手というスタートだった。

2日目のインテルラゴスは一転、真夏のような暑さ。しかし、路面は前日に雨が降ったために、依然として走行ラインにタイヤのラバーが乗っていないグリーンな状態。加えて、路面温度が50℃近くまで上昇した改装したばかりのアスファルトからはオイルがにじみ出てきたため、前日よりも滑りやすいコンディションに悪化してしまった。

そんな中でスタートした公式予選。インテルラゴスは1周が短く、ラップタイムも1分10数秒と速いため、左近は15分間の第1ピリオドで3回のタイムアタックを行う計画を立てた。ところが、1回目のアタックを終えてピットロードに戻ってきた左近を車重検査が待っていた。さらに車検室から出て、タイヤ交換しようと自分のピットに戻る際、エンジンがなんらかのトラブルでかからず、メカニックたちに押されて帰らざるを得ないというアクシデントに見舞われてしまう。そのため、「予定外の時間を費やしてしまったので、3回アタックを断念して、2回目のアタックを2周連続で行う」(左近)ことに切り替えるのである。
ところが、その1周目のアタックで得意のセクター2でブレーキングミス。さらに気を取り直して行った2周目のアタックでは、タイヤのグリップ力が下がってしまい、期待していたタイムを刻めないまま予選を終了することとなった。

それでも左近は、レースを見据えたセッティングには自信を持っていた。というのも、新しい路面と50℃に達しようかという高い路面温度となった土曜日、ライバル勢は軒並みグレイニング(めくれ摩耗)とブリスター(タイヤの表面に火ぶくれができる症状)が同時に発生するという珍しい症状に悩まされており、タイヤの使い方次第では日曜日のレースで逆転は十分可能だった。

迎えた日曜日。決勝日のインテルラゴスは前日以上に高温となり、左近が期待するタイヤに厳しいレースが予想された。そして、スタートでポジションアップした左近は、レースに向けたセッティングがうまく機能していることを感じつつ、2周目に入る。ところが、1コーナーを抜け降りて加速していく左近の目の前に、1コーナーでコースアウトしていたジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)のマシンが飛び出てくるのである。避ける間もなく、フィジケラのマシンに衝突した左近のマシンは、一瞬宙を浮き、激しく地面に叩きつけられた。

「ピットロードつとに戻って、壊れたウイングを交換して、なんとかレースを続行させようとしたんですが、ハイドロ系にもダメージが出ていて、レースを再開するのは不可能でした」という左近は、無念のリタイアとなってしまう。

「レース後にコントロールタワーに呼ばれたんですが、フィジケラは僕のクルマが見えなかったということで、裁定は単なるレーシングアクシデントということでした。でも、彼にはコースアウトした時点で気をつけてコースに復帰するという義務があったはず。見えなかったでは済まされないことです」と悔しさをにじませた左近。2年目のF1は「不完全燃焼」(左近)という形で、幕を閉じることとなった。

しかし、左近のF1はまだ終わっていない。3年目へ向けて、11月にはテストにも参加する予定。「まだ、どのチームで走るかは決まっていませんが、話し合いはポジティブに進行しています」と、左近は笑顔でインテルラゴスを後にした。

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